こんばんは施工監理担当の広瀬です。
耐熱性・蓄熱性の良さ
レンガの住宅は「夏は涼しく、冬は暖かい」と聞いたことがあるかもしれません。これはレンガが高い蓄熱性と耐熱性の両方を持っているからです。 この性能はレンガが持つ特徴に秘密があります。
レンガは自然素材でできており、レンガ内部にたくさんの気泡を含んでいるからです。この気泡が2重窓と同じ原理で空気の断熱層を作り、温度を外部に伝わることを防いでいます。
そのため夏は「外からの熱を遮断し、中の冷気を逃がさない」、冬は「外からの冷気を遮断し、中の熱を逃がさない」と、外気温に左右されず室内を一定の温度に保ってくれます。
だから一年を通して快適に過ごすことが出来るようになります。
地震に強い 地震大国の日本。そんな日本であまり見かけないレンガ造りの家だから地震に弱いと思われがち。これは関東大震災で多くの建物が被害を受けた過去により、そのイメージが今も引き摺られているからです。
近年は耐震性への絶え間ない研究により、日本に適した特定工法が開発され強固な耐震性能を持った家が実現できるようになりました。
それはレンガを積み上げる方法(レンガ中空積み工法)です。レンガを積み上げる際にステンレスの鉄筋や金物を使用し、レンガが崩れない仕組みになっています。そして、レンガを住宅から少し間隔を空けて施工することによって、建物自体が揺れたとしてもレンガに直接揺れが伝わらないようになっています。
事実耐震性能が高ければ高いほど安くなる地震保険においても耐震性能3級をとることが出来ています。
デメリット
レンガの家は、外壁が丈夫なので、後々リフォームをするのが難しい点がデメリットとして挙げられます。
レンガの家の外壁は、1つひとつのレンガを積み上げ、その間をモルタルなどで固めていきます。また、近年の耐震性を高めたレンガの家では、レンガ同士を鉄筋で繋ぐため、さらに高い強度が保たれています。
そのため、壁を取り除いて間取り変更したり、増築したりといったリフォームを後年実施しようとすると、その壁の丈夫さがデメリットになる可能性があります。
大がかりなリフォームを行わない限りは問題ありませんが、先々リフォームの可能性がある場合は、事前に注意しておきましょう。
レンガの家は、夏の夜間に室内が暑くなる可能性が高い点もデメリットの1つです。
レンガは蓄熱性が高く、暑い日中は外の暑気を吸収してくれます。しかし、吸収された熱はおおよそ8~10時間で放出されるので、夜間の室内が暑くなりやすいです。
近年では夏場の気温上昇から、室内でも熱中症にかかりやすいと言われています。そのため、夜間も快適に過ごせるよう、室内の空気を逃がすよう通気の工夫をしたり、各部屋に冷房設備を設置したりといった工夫が求められます。
レンガの家は、一般的なハウスメーカーでは施工が難しい点もデメリットです。
レンガの家は木造や鉄筋コンクリートの家と比べて、施工の難度が高くなります。そのため、レンガを扱える職人さんを擁していないハウスメーカーも多く、施工を断られることもあります。
また、一括りにレンガの家といっても、その仕上がりは職人の腕によって大きく変わります。そのため、長年暮らしていくレンガの家を任せるにあたっては、レンガの扱いに長けた信頼できる業者を選定することが重要だといえるでしょう。
レンガの家は、一般的な家より工期が長く、価格が高額になりやすい点もデメリットとして考えられます。
十分な耐震性を備えたレンガの家を建てるためには、まず構造部分を木造で作り、その外側にレンガを積んでいきます。そのため、非常に多くの手間がかかり、各レンガを固着させるモルタルの乾燥時間もあるため、木造や鉄筋コンクリートの家より工期が長くなりやすいです。
また、1つひとつのレンガを積むにも熟練の職人技が求められるため、人件費などから工事費用も高くなります。そのため、レンガの家の建築を検討するうえでは、あらかじめ工期や費用がどれくらいかかるか、業者に詳しく確認しておくとよいでしょう。